小金井市も武蔵小金井・東小金井の駅前再開発が進むにつれて人口も少しづつ増え、子育て世代も増加しているのか街中で妊婦のお母さんを良く見かける様になったように思います。妊娠中の不調の代表的なものに腰痛がありますが、その原因と対策。
さらに、むくみや足がつるなど他の妊娠中の体のトラブルなども含めてお話します。
妊娠中の腰痛
妊娠中に腰痛になるのは主に妊娠中期から後期、約半数の方が腰痛に悩むと言われています。妊娠中期(5,6,7か月)~後期(8,9,10か月 )はお腹がだんだん大きくなり体型が変わる時期ですが、腰痛や臀部や股関節や恥骨の痛みなどが出やすい時期になります。
この時期にこれらの痛みが出る原因は主に2つあります。
妊娠中の腰痛・臀部痛・股関節痛などの原因
一つは主に胎盤からリラキシンというホルモンが分泌されますが、このホルモンは出産に備えて靭帯をゆるめる作用があり骨盤の靭帯もゆるみます。靭帯のゆるみにより骨盤の関節が不安定になることで関節機能異常が起こり回りの腰や臀部や股関節回りの筋肉が過緊張やそれにともなう神経の圧迫なども起きて痛みがでます。
ちなみにこの骨盤の関節のゆるみによる痛みは妊娠初期でも出る場合があります。
そしてもう一つは、お腹が出てくることで反り腰になり、腰椎の関節に荷重による負荷がかかり、これが腰痛を引き起こします。
また、この2つの原因が複合した形で痛みが出る場合もあります。
対策
骨盤の関節のゆるみによる痛みは市販の妊婦用の骨盤ベルトをすると、楽になる場合が多いので、試して見て下さい。(巻く位置は骨盤後方の仙腸関節の下部から恥骨にかかるところです。かなり下の方です。)、ただし関節機能異常があると骨盤ベルトだけでは痛みがとれない場合もあるのでその際はぜひ来院して施術を受けていただくことをおススメします。
反り腰による痛みは、当院においておこなっているAKS療法における腹横筋のセルフエクササイズをオススメします。
やり方は簡単で以下の通り
①膝と手をついた四つん這いの姿勢になり腰を丸めます。この時に肩と股関節はフロアに対して90°にして、肘は伸ばします。これがスタート姿勢
②四つん這いの状態で手の平をフロアから離さないようにして肘を伸ばしたまま片方の手を前方に手の平一枚分ズルズルと2秒ぐらいかけて移動させます。この時、肘は伸ばしたまま動かしてください。(手を動かそうとした瞬間からお腹に力が入るのがわかると思います)
③次に同様に手の平をフロアから離さないように肘を伸ばしたまま元の位置に戻します。
④以下②と③の繰り返しで左右20回づつ程度やってみて下さい。下図も参考にして行ってみて下さい。
腹横筋は分娩のイキミに必要な筋肉なので腰痛の無い方でも行うことをおススメします。
昔から「妊娠中は床の雑巾がけをやると良い」といわれますが、四つん這い姿勢は、下大静脈や腹大動脈・腎臓や尿管・腸など、お腹が大きくなった時に子宮に圧迫される器官を圧力から緩和させてくれるので、腰痛などない場合でも、時々四つん這いになると、「むくみ」や「便秘」や「足がつる」などの妊娠中の症状緩和につながります。
これに関係した話として、就寝時の姿勢も仰向けだと上記の血管や臓器が子宮で圧迫されるので横向き(できれば背骨の右寄りを通る下大静脈を圧迫させないように左下で横向き)をオススメします。
妊娠後期で起こりやすい「仰臥位低血圧症候群」というのがありますが、これも仰向けで寝た時に子宮が下大静脈を圧迫して心臓に戻る血流量が少なくなり血圧が下がり、頻脈、悪心、嘔吐、冷や汗、顔面蒼白などの症状があらわれますが、やはり左下の横向きで寝ると下大静脈の圧迫が緩んで回復してきます。
もし腰痛などの不調とともに異常なお腹の張りなどを感じる場合、発熱がある場合、排尿異常とともに腰から脇腹、下腹部への痛みなどであれば病院へ行ってください。
より健やかな妊娠ライフの為にも、もし妊娠中の腰痛などにお悩みであればぜひ当院へいらしてください。
(骨盤ベルトを巻く位置やエクササイズのやり方などもご指導差し上げます。)