多くの方が悩まされる頭痛には、実はいろいろなものがありますが、最も多いのが緊張性頭痛と偏頭痛です。この2つの頭痛は症状も対応の仕方も違います。今回はこの2つの頭痛の説明と、これ以外のすぐに医療機関へ行くべき頭痛についての注意です。
よくある2つの慢性頭痛・・・症状と対応の違い
慢性の頭痛を訴えて整体やカイロ・マッサージなどに行かれる方も結構多いのではないでしょうか?
実際当院でも肩こりが主訴だけれども頭痛もあるという方や偏頭痛が起こること自体を訴えて来院してみえる方もいらっしゃいます。
頭痛と言ってもいろいろありますが、たいていの方は緊張性頭痛か偏頭痛ですが、両者の症状や対応の仕方は違います。
緊張性頭痛とは、病院に行くと「肩こりからきている」とか「ストレートネックのせい・・・」などといわれる頭痛で、頚部の筋緊張で血液循環が悪くなることで、蓄積した発痛物質が神経を刺激して痛みが出ます。後頭部や眼や首にも痛みが広がり、ズ―ンとかドーンとかジーンとした締め付けられるような均一性の鈍痛(脈打つ痛みでは無い)です。仕事で疲れた夕方などに発症しやすく、肩こりや頚部痛や眼の痛みなどとともに発症しやすい。などの特徴があります。
原因となるのは、悪い姿勢・目の疲れ・ストレス・睡眠不足・水分不足・噛みしめ癖のある方も発症しやすい傾向があります。
運動をしたりお風呂入ると楽になり、休みでリラックスしていると発症しにくい傾向があります。
偏頭痛とは、ズキンズキンとした脈打つ頭痛でかなり強い痛みになる場合もあります。左右どちらかで出る場合が多いですがそうではない場合もあります。身体を動かして頭の位置が変わることで痛みが強くなる傾向があります。急な血液の流入による血管の拡張が神経を刺激して痛みが出ます。
休みの日などストレスから解放された時に急な血管の拡張があると起こりやすく、寝過ぎや寝不足、空腹、疲労、光や音の強い刺激、女性の場合ホルモンの変化、などにより誘因されることが多いです。食べ物(チョコレート、チーズ、ハム、ヨーグルト、赤ワイン)が引き金で発症する時もあります。
血管の炎症物質が原因なので緊張性頭痛とは反対で、運動やお風呂は症状を悪くさせます。患部を冷やすと楽になります。
どちらの頭痛もカイロプラクティックの適応で治療で良い結果が出やすい頭痛です。
また、これ以外に群発性頭痛というのもあります。たいていは一側性で目の奥や周囲からくるかなりの激痛で前頭部、側頭部まで痛むことが多く、目の充血や涙・鼻水や鼻づまりなどがともなうこともあります。毎日決まった時間帯に症状が出やすく一日に1~数回・数日から3カ月ほどの期間続くのを半年~3年ぐらい毎に繰り返す周期性も特徴です。かなりの強い痛みなのでたいていはすでに病院へ行かれて診断治療をされていることが多いですが、これもカイロプラクティックの適応となる頭痛です。
こんな頭痛なら医療機関へ!
ただし頭痛には重篤な問題を抱えているケースもあるので、以下のような症状であれば、医療機関に行くことをオススメします。
・突発的な激痛・・・拍動性では無い突発的な激痛はクモ膜下出血の可能性があります。すぐ病院へ(救急車)。
・嘔吐、めまいを伴う頭痛・・・これは前述の緊張性頭痛や偏頭痛でもよく起こる症状ではありますが、脳出血や腫瘍などが原因の場合もあるので、脳神経外科などの医療機関で検査をしたうえで問題が無ければ来院して頂くことをおススメします。
・徐々に痛くなってくる進行性の痛み・・・最初はそれほど大した痛みではなかったが、日を追うごとに痛みが強まってくる場合は慢性硬膜下血腫や脳腫瘍の疑いがあるので、脳神経外科などに行ってください。
・朝になると痛む・・・毎日朝方に痛みが出て、活動しはじめると楽になる場合、朝方の脳圧が高い時に症状が出やすいことを表し、やはり脳腫瘍の可能性が考えられます。医療機関で検査していただくことをおススメします。
・しびれや脳神経症状を伴う頭痛・・・頭痛と首肩上肢のしびれを伴うケースというのは緊張性頭痛ではよくあり、当院でも対応可能ではありますが、手足に力が入らずうまく動かせない、ろれつが回らない、視野が狭い、ものが二重に見える、視力の低下、耳鳴り、めまいなど脳神経症状があれば、やはり脳腫瘍や脳における血腫や動脈瘤など循環系の問題の可能性があるので、一度医療機関の検査を受けてこれらの問題が無いことを確認したうえでの来院をおススメします。
・発熱している場合・・・感染性の病気、髄膜炎などの可能性が考えられるので医療機関へ行くようにしてください。新型コロナやインフルエンザはもちろん、一般的な風邪でも頭痛がおこることはありますが、これもカイロの適応ではありません。
季節的なトピックスとして・・・花粉症からの頭痛?
今は花粉症の季節で、鼻炎にお悩みの方も多いかと思いますが、鼻炎から副鼻腔炎の悪化により頭痛が起こる場合があります。
副鼻腔炎とは鼻の奥の副鼻腔に膿がたまる病気ですが、特に副鼻腔の上や奥の方(前頭洞や篩骨洞や蝶形骨洞)に膿がたまることによる圧迫痛が額や眉間や目尻辺りで出ることがあり、うつ向くと圧迫が強まり痛みが増加します。
この場合は耳鼻科にいくことが優先されると思いますが、当院の治療でもお悩みの症状がスッキリすることもあるのでぜひご相談ください。
また、コロナが流行り出してから報告され始めましたが、マスクをし続けることで呼吸による酸素の濃度の低下や呼気温の上昇で血管が拡張して偏頭痛が起きたり。耳かけのゴムのストレスや表情筋の働き不足で血流が悪くなり緊張性頭痛を招く場合があるということで要注意です。
状況にもよりますが、外出から帰った時など、もしマスクを外せる状況であればはずすことも必要かもしれません。