4月からの新年度が始まり少し経ちましたが、この3月に長い勤続から退職された方もいらっしゃるのではないでしょうか?実は退職後しばらくしてから脚腰の痛みなどを訴える方は意外と多くいらっしゃいます。今回は退職後の環境の変化による体の不調についてです。
退職後の環境の変化による体の問題
この3月に退職されて、今は比較的家でのんびり過ごしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、コロナの流行以降は早期退職する方も多いという話も聞きます。
この時期の来院者様には退職後に腰痛や肩こり他、体の痛みやしびれがおこるようになったという方もよくいらっしゃいます。
来院者様ご自身は「歳のせいかな-」とあきらめていたり「退職後に運動不足になっているかな」といった話をされる方もいらっしゃいますが、退職後の生活環境の変化で体のトラブルを招いているケースが少なくありません。
生活環境の変化による体のトラブル
退職すると家で過ごす時間が増えますが、家で過ごす場合、畳の床で胡座で座って腰背中を丸めていたり、女性の場合は脚を崩したお姉さん座りで身体を歪ませていたり、または、ソファーで浅く楽に座ったりすることも増えます。
仕事をしている場合でももちろん座りっぱなしが多いと思いますが、仕事場の椅子は事務椅子で比較的家の中の椅子に比べれば座っている姿勢は乱れにくいです。
胡座やソファーで座る時間が長くなることで腰や背中が丸まり、腰や首の負担になって体の問題が起こりやすくなることが多いので、意識的に胡座やソファーに浅く腰掛けることをできるだけ少なくすることが、体への負担を少なくするコツです。
筋力や体力の衰えによる体のトラブル
また、仕事をしている間の日々の通勤はそれだけでも、結構運動になっていますが、通勤がなくなることで、日々の運動量はだいぶ減ってしまい、運動不足になって体は急激に衰え筋力も低下します。
脚腰の筋力の低下は腰や膝の関節の負担を増加させてしまい、体重の増加による負担も相まって腰痛や膝の痛みになってあらわれます。
さらに運動不足は腰や膝や肩こり以外にも糖尿病、肥満、心血管系の疾患、便秘などのリスクも高くなります。
社会との接点が無くなることによる精神的な問題
そして、社会との接点がなくなることによる精神的ストレスで体調を崩すということもありがちです。
仕事を止めても散歩や軽い運動習慣を身につけたり、地域のコミュニティーの参加や趣味で外出をする時間を増やして、できるだけ家で座りっぱなしの生活をしないように心掛けることで、健やかな退職後の生活を永く続けられることができます。
そして、今回お話ししている内容はコロナの影響で在宅ワークになった方にもそのまま当てはまります(仕事でじっとしていなければならない時間が長くなるので状況はさらにひどいかもしれませんね)。体に負担にならないような作業環境を作ることと運動を心がけることは在宅ワークの方も同様に大切です。