ダイナミックストレッチとスタティックストレッチについて
長かった暑さも一段落、運動を行うのには好季節になってきました。
健康やコンディションアップの為に運動を行うのは良いことだと思いますが、中には運動でケガをしてしまう方もいらっしゃいます。ケガ予防やウォーミングアップでよく行われるストレッチですが、あなたは正しく行っていますか?
ウォーミングアップとクールダウンの目的
ケガの予防の為にも必要なのが準備運動ウォーミングアップです。この時にストレッチを行っている方をよく見かけますが、実はウォーミングアップとクールダウンではストレッチのやり方も意味も違ってきます。
ウォーミングアップの目的は、本運動で力を発揮できるように、心拍数を上げて血液循環を促し筋肉を温めて本運動の準備をすることです。
クールダウンの目的は、運動後に緊張してしまった筋肉を緩めて溜まった老廃物を流して、速やかな回復を促すことです。
スタティックストレッチとダイナミックストレッチの違いとそれぞれの目的
ストレッチにもいろいろあり、腰痛や肩こりの改善や予防の為にカイロや整体やマッサージの治療の中でも施術者・セラピストにサポートしてもらいながら行われる場合がありますが、自分で行うセルフストレッチは大きく分けると二種類あります。
スタティックストレッチ(静的ストレッチ)とダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)です。
スタティックストレッチは筋肉を一定時間(数十秒~)じっと静かに伸ばし続けるようにしますが、一般的にストレッチと言えばこのスタティックストレッチをイメージされる方が多いと思います。
一方ダイナミックストレッチとは動きながら動作の中で筋肉を伸ばすストレッチで、サッカー選手がよくやるブラジル体操や下半身の動きが少なめですがラジオ体操もダイナミックストレッチと言えるかもしれません。
(動きながら行うストレッチの分類としては、コントロールされた動作の反復で行うダイナミックストレッチと、脱力した状態で反動を利用するバリスティックストレッチに分ける場合もありますが、ここでは動かすストレッチの総称としてダイナミックストレッチと表現しています)
スタティックストレッチには筋肉の緊張を緩めて老廃物を排出しやすくすることで疲労回復を促し、筋肉の緊張を抑制することで可動域をアップさせ、心拍数を下げて心身をリラックスさせる効果もあり、クールダウンや一日の終りの疲労回復に適しています。
ダイナミックストレッチは筋肉の柔軟性と温度の向上、ケガ予防やパフォーマンスアップの効果があり、運動前のウォーミングアップに適しています。
運動前のスタティックストレッチは要注意
ウォーミングアップでスタティックストレッチを行っている方やスポーツチームをよく見ますが、ウォーミングアップのスタティックストレッチはケガの発生率が高まるという研究データもでていますので、ウォーミングアップではダイナミックストレッチを行うようにしましょう。
ちなみに体の可動域を必要とされるダンスや体操系のスポーツなどの場合は、ウォーミングアップ前のスタティックストレッチも必要な場合もあるかもしれませんが、スタティックストレッチ直後は、筋肉の両端の腱の部分が伸張されることで筋の収縮力が抑性されたり、筋力のバランスに偏りができてしまい、運動パフォーマンスが落ちる可能性もある為、競技特性上どうしてもスタティックストレッチを行う必要がある場合は、できれば本運動の30分前までには終わらせておくことをおススメします。