--症状--
「元々若い頃から肩こりがあったがここ3カ月前ぐらいから左首から肩腕への痛みになってきて最近親指へのしびれが出る時もある。」
「2カ月程前に整形外科にいって椎間板ヘルニアと診断されて神経痛の薬を処方されたが、眠くなるので止めた」
「近所の他の整体にいったが良くならず、こちらにうかがった」
「電車内や昼休み中に居眠りをすると症状が強くなる。」
--検査--
姿勢
立位だと比較的姿勢が良く見えるが背中の上から首が丸くなる首猫背。
腰部の前弯カーブが無く、頚部もストレートネック。ややお腹が前に出る反り腰。
筋の緊張や痛み
ストレートネックによる後頚部(首の後ろ)全体の筋の緊張。
背中は全体的に平らだが胸椎の棘間(背骨の突起の間)に圧痛。
可動と痛みや違和感
頚部(首)の屈曲と右側屈で左の首から腕にかけて痛み。
筋力テスト
左三角筋と上腕二頭筋の筋力弱化。
神経学テスト
知覚は右との比較で左C6領域に触覚の曖昧さあり。
反射は左上腕二頭筋腱反射低下。
整形学テスト
ジャクソンコンプレッションテスト左、マキシマムコンプレッション左右ともに左首から上腕に痛み。
カイロプラクティックテスト
頚椎 上部頚椎C2左回旋制限、下部頚椎C7伸展制限
胸椎 上部胸椎T1・T2伸展制限 中部胸椎T5・T6・T7屈曲制限
腰椎 L2・L3伸展制限
骨盤 右後下方内方変位 左前上方外方変位
--分析--
筋力テストや神経学テストの結果からみるとおそらくC5.C6高位の椎間板の問題の可能性が高い。
ただし当該部位のC5,C6の動きに制限は無く、周囲の下部頚椎~上部胸椎の伸展制限がある為にC5C6に動きの負荷が高まっていることが問題。
首猫背の姿勢の為に頚椎の動きの連動性がくずれている。
反り腰の姿勢で背部が平ら過ぎるのも首猫背の原因になっているので、姿勢そのものを立てなおす必要があり、腰椎の適正伸展の動きと、胸椎の屈曲制限を調整して、頚部は下部頚椎~上部胸椎の動きの回復をはかる。
症状誘発の姿勢がはっきりしているので、できるだけ頚椎を前屈させないような姿勢の指導が必要。
--施術と経過--
緊張の強い頚部を中心に筋肉の緊張緩和操作。骨盤の歪みをブロックで調整後、腰椎、胸椎の動きを促す。徒手モビリゼーションで頚椎の動きを調整。
デスクワークにおける坐位の姿勢の指導を行うが、電車の居眠りはできるだけ避けて、職場でも首を前にうなだれた居眠りの仕方は避けるように、またスマートホン使用時も出来るだけ首を前屈させないように注意を行った。
最初の治療では痛みはすぐにとれなかったが筋力の弱化は回復。
その後は週一回の通院で2回目の来院時には平背改善のストレッチと頚椎のストレートネック改善の運動を指導。
5回目ぐらいで、だいぶ痛みやしびれはおこらなくなり、肩こり感も気にならなくなってきた。