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6月3日 定着した在宅ワーク、床に座る環境で腰痛・膝痛・肩こり

 新型コロナウィルスは5月の5類移行により当初の警戒感はだいぶなくなりましたが、在宅ワークは基本の作業形態として定着している職場も多く、在宅が原因で腰痛・肩こり・首の痛みや膝の痛みに悩んでいる方は今も少なくありません。特に床に座る環境の方は要注意です。

在宅ワークと体の痛み
   新型コロナへの警戒感は落ち着いてきて、マスクをしている方こそまだ多いですが、街の人通りやお店の混雑も元に戻っています。しかしながら、在宅ワークは引き続き推進している会社や職場は少なくないようで、根本的にオフィスを縮小したような会社も多いと聞きます。
 在宅ワーク・テレワークのネットワーク環境の整備やパソコン関連などに関係して、当初はIT企業などが「株価が上昇」といった話もあったようですが、在宅ワークに必要な環境はネットワーク環境だけではありません。
 最近、この在宅ワークの作業姿勢に問題があるために腰痛や肩こりなど体のトラブルが起こる方が少なくありません。

 通常の仕事場においては、たいていの方はちゃんとした事務椅子と作業机で作業を行いますが、御自宅にも作業机や事務椅子があるとは限りません。中には椅子の無い床に座る生活で、在宅ワークも床に座って行っている方もいらっしゃいます。
 そのようなデスクワークに適さない環境で作業を行っているとさまざまな体の痛みも出やすくなります。

床に座り続けることによる体の負担
・あぐら
 あぐらで座ると、骨盤はたいてい後方に傾き、それに従うように腰も丸まり椎間板の内圧が後方へ移動しやすくなって痛みの神経を刺激したり、腰や背中の筋肉が伸ばされた状態を持続することで血液循環を阻害して疲労しやすくなることで痛みが出たりします。また背中が丸まることで頭の位置が前方に位置しやすくなって肩こり・首の痛み・頭痛なども出やすくなります。
・正座
 正座の場合は、骨盤は立った状態で安定しやすくなり、背筋も伸ばしやすくはなりますが、膝や足の関節に負担がかかって関節の痛みが出てきたり、血行を阻害してしびれが出てきたりします。またテーブルが低いとやはり背中は丸まりやすくなります。
・長座
 脚を伸ばして座る長座の姿勢は腿の裏側の筋肉(ハムストリング)が骨盤を引っ張り後傾させてしまうのでやはり腰は丸まってしまいます。やはり椎間板や腰の筋肉にかかる負担は大きくなるので腰痛や神経痛などが起こりやすくなります。
・横座り(お姉さん座り)
 脚を崩した状態で座る横座りは女性に多い座り方ですが、股関節や骨盤といった体の土台を歪ませてしまう為に腰や背中・首肩にも歪みを作ってしまい一側性の腰の痛みや肩こりが起きやすくなります。

在宅ワークで体を痛めないようにするには
 一番良いのは、ワンルームの狭い部屋でも椅子に座って作業を行える環境を作ることです。しかも、できれば姿勢を整えやすい事務用の椅子を用意することをお勧めします(机はノートPCであれば折りたたみの簡易テーブルでも良いと思いますが、低すぎると背中が丸まるので注意です)。いっそのこと椅子を使わずスタンディングデスクにしてしまうという手もありますね。

 どうしても床に座らざるを得ない場合は、最近は座面を10cmぐらい上げられる高反発の厚みのある座布団が売っているので、お尻のみをのせて脚はあぐらをかくように座ると座禅を行っている様になり、骨盤が立てやすくなって背筋も伸ばしやすくなります。また、他にも骨盤を立てられる骨盤座布団や座禅用座布団などもあるので試してみると良いかもしれません。しかしこの場合でも股関節や膝に負担がかかったり血行は悪くなりがちなのでまめに立ち上がる様にしましょう。

 ちなみに、すでに痛くなっている方は比較的早く来院していただければ比較的容易によくなるので、早めに御来院ください。
 

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Posted by 塩谷直樹